三国志 きらめく群像/高島俊男

本が好き、悪口言うのはもっと好き」の作者だけあって実に分かりやすい文章で三国志(正史)を説明し、中国文学の泰斗だけあって時代背景から英雄の言動を推測している。
俺は「三十年間、地方にあってひたすら中央に反抗を続けた」というその一事をもって韓遂ファンなのだが、この本ではなぜか涼州の反乱者が章を設けて語られていてちょっと嬉しい。南蛮とか烏丸は完全無視なのに。
ただ、益州の人士を取り上げているのにやけに劉備陣営に冷ややかなのは疑問。劉備はそもそも群雄というよりは傭兵軍団の長といった感じだし、負けたシーンがクローズアップされてるけど、曹軍のヘタな将軍よりかはよっぽど戦上手なのだが。
どうも曹操孫権を目立たせるためにあえて評価を下げたとしか思えない。特に孫権



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