宦官/顧蓉・葛金芳

夏合宿で何か喋ったような気がするが記憶違いがなかったか確認。久しぶりに読んでみたが面白すぎる。

宦官って中国史のあらゆる時代に出てきたから常に権勢を振るったように思われてるけど
実は全然そんなことないんだよな。むしろ皇帝の奴隷としてゴミ扱いされたりケツ掘られたり、士大夫からは人間の屑として罵倒されたりして、
挙句の果てに年老いてからは放り出されて1人空しく野垂れ死にっつーのがほとんど。
張譲とか魏忠賢みたいに栄華を極めてってケースは極稀。
当時の儒教道徳にはモロに反してるしな。士大夫から罵倒されるってのもそうだし、
とかく親からもらった大事な体を傷つけるとか切り取るとかとんでもない話なわけで。
そういや夏侯惇も自分の眼球喰ってたしな。


やっぱり切除から年を経ると少し生えてくるらしい。
あるいは切られても性欲がなくならなかったりする例も。
こういう記述を見てると、怖くなるというか本当に背筋が寒くなるというか。


あと最も面白い存在は多分明の鄭和。宦官ながら文化的な大事業を行っていることもさることながら、
何で去勢されて男性ホルモンでねえのに

体格にすぐれ、身長二メートル余、腰回りは十かかえもあり、虎のように勢いよく歩き、声は大きくよく通ったという

みたいなことになるんだ。どう考えてもおかしい。雲南の人間が仮にデカかったとしてもおかしい。



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